2024/08/15 07:02

↑↑革:ナッパラックス(イタリア)

革と一口に申しましても、たくさんの種類があります。革の種類だけでなく、革を語る時は、「革を作る現場から見る革」と、「バッグを仕立てる職人」と、「お財布を仕立てる職人」と、「靴を仕立てる職人」と、「デザインを起こすデザイナーやパタンナー」と、「営業やお客様とお話するコーディネーター」とでは、革を見る目線が違います。言わば、フォーカスする場所が違うという感じでしょうか?同じ現場にいても革の見方が微妙に違うので、そのあたりの擦り合わせが意外に大変です。

とりあえず今回は、あまりそのあたりを考えずに、革の意匠の違いをご説明できればと思います。
一般に多く使用されている牛の革を取り上げたいと思います。バッグを見ると、革の表面に模様のあるものと無いものがあります。大まかに、型が入っているものは「型押し革」と言い、型が入っていないものは「スムース革」と分類します。型押しには数百通り(世界を入れれば数千種類)あり、良く知られているものでは、「クロコダイル」「ダイアモンドパイソン」「角シボ」「水シボ」「ペーズリー」などと呼ばれる型があります。型を打つことで革の表面に凸凹ができ、それが陰影になり革の表情がとても豊かになります。
また、型押しをしていない革は、革表面に凸凹はなくスムースになります。凹凸は無いけれど、模様が入ることがあります。模様とは、牛のもともと持つ肌のシワや血筋がなめす時、油やなめし材の入り具合が違うことによって起こります。革は個体差があり均一ではない為、このようなことが起こります。しかし、染色する時に顔料の乗せ方次第でこの自然な模様は見えなくすることもできます。とは言え、スムース系の革のしっとりとしたタッチ感を出す場合は、染色の際、薄化粧の方が良いので、革のもともとの模様をあえて隠さず出すようになめしたり染色したりします。

↑↑革:クロコダイル型押し(日本)


また、「型押し革」でもなく「スムース革」でもない革に「シュリンク革」があります。なめす時にシュリンク材を入れて、20%程革を縮ませるため、革表面に凹凸の模様ができます。型を押す訳では無く、あくまで縮ませた時に出る細かい皺です。この皺は、皮の繊維が緻密な場所とそうでない場所では縮み方が違う為、一枚の革の中で皺が沢山ある箇所と皺があっさりしている箇所があります。

↑↑革:シュランケンカーフ(ドイツ)


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