2024/08/17 08:21

バッグに、「玉取」という造りがあります。「たまとり」と読みます。デザインの一つでもありますが、革の性質によって、このデザインには「玉取」があった方がバッグがしっかり自立するかな、などを考えながら、「玉取」仕様にしたり「玉取」仕様にしなかったりします。単純にデザインでこの仕様にする時もあります。また、「玉取」に、「挟み玉」という造りもあります。文字通り、玉を挟む仕様で、バッグのフォルムがとてもシャープに見えます。とりわけ「挟み玉」仕様のバックは、バックの角が効果的に演出されデザインのポイントとなります。
そしてそんな素敵なバッグも、年月が経てばその角が傷み、革がすり減ったり縫い目がホツレたりします。バッグの角は一番摩耗しやすい場所のひとつで、革が破れると、やはり見た目も良くありませんし、そこからホツレが進みやすくなりますので、「玉取」の交換をします。その際、本体の革と同じを革の色を使用しても、経年変化でバッグ本体と同じ色にはどうしても見えず、ツートンカラーになります。それが、とても素敵なんです。意図せず、ツートンカラーになる。
そんなことも踏まえ、あえて別の色でお修理するのも有りです。お修理が終わった時には全然違うバッグに見えます。お修理のだいご味は、昔のままよみがえるのではなく、「新生バッグ」となることかもしれません。



私もお修理をする際、少し仕様を変えてお願いすることもあります。例えば、裏地を修理した時、ポケットの数を減らしました。内側のポケットが沢山あって便利と思っていたのですが、意外と自分には多すぎた為、裏地を交換した時に半分くらい減らしました。また、底板を奮発して革巻きにしたこともあります。明るい色の革で底板を作りました。普段は見えない底の部分ですが、内側が明るくなり、とても満足して使うことができました。

お修理は、いろいろなケースがありますので、一口にお勧めはこれですということはできませんが、お客様のバッグの想いがそれぞれですので、出来るだけその気持ちに合うお修理ができればと考えてます。難しいお修理は都度職人と相談しながら進めますので、お気軽にご相談いただければと存じます。


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(TSUKKAの徒然日記)