2024/09/06 08:43
当初は大人の持つお稽古バッグとして作りました。今では、お稽古バッグとしてお持ちいただくには少し小さいかもしれません。サイズはA4サイズですので、チョイ持ちのセカンドバック的な感覚が一番イメージに近いかと思います。とは言え、クリアファイルであればしっかり収まるサイズですので、バッグとしてしっかりお使いいただけます。お荷物の少ない方ならこのサイズで十分かと思います。
一見するとぺったんこなバッグですのであまり収納力がなさそうですが、バックのボトムは隠しマチがあり、実際に荷物を入れれば自然にマチができますので思いのほか収納力はあります。
デザインは究極にシンプルかと思います。革の良さを引き出したいとの理由からこのデザインが生まれたそうです。金具は口前の内側にマグネットが付いているだけです。革はナッパラックスというイタリアの革で使う程に革味が増します。革味が増すとは、どんな効果かと申しますと、傷や汚れが付いてもバック全体の雰囲気を押し上げる感じです。このイタリアの革は、傷や汚れが付きやすく、日に当てれば、日焼けをするような革です。そんな生きているような革を、その時のデザイナーは「革が主役で革だけを見せる」バックを作ろう決めていたのかもしれません。
コンパクトながら、革の使用量は見た目以上にたくさん使用してます。隠しマチ部分まで一切ハギがなく一枚の革になりますので、見た目以上にパターンが大きいのです。贅沢な革の使い方です。余計な混ぜ物がないので、シンプルという表現もできます。
シンプルですから自己主張はさりげなく、しかしよく見ると、いい革ですね、って言われそうなバッグです(笑)
そう、このシンプルなデザインなら、他の革でも作れそうと思いがちなのですが、それがなかなか難しいのです。シンプルが故に、革の良さを主張するので、良い革で作ってみようかとトライしましたがなかなか納得のゆくバッグにはなりませんでした。それは、革の厚み、革のコシ感、革表面の表情、が重なってできる奇跡なのかもと思ったことがあります。やはりこのナッパラックスだからこそ、このシンプルなデザインがはまったのだと思います。
素材とデザインがとてもマッチした稀なバックかと思います。革の素材を見てからデザインを考える、は私が若い頃に言われた教えです。今でも革を見た時、どんなデザインになるかなと思いを巡らせます。結構楽しい時間です。

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