2024/09/07 07:34

バックについている金具をご覧になったことはありますか?革やデザインに意識が向き、まじまじと金具を見て、金具が気に入ってバッグを選びました、なんとことはとても少ないかと思います。バッグには、代表的な金具としてはショルダーストラップの長さ調節をする尾錠(美錠)やバッグ本体とショルダーストラップやハンドルを繋ぐ、つなぎカンがあります。なくてはならない金具です。バッグの構造的に一番負荷がかかる部分は、バッグ本体とショルダーストラップを繋ぐ部分やハンドルを繋ぐ部分です。革の種類にもよりますが、革の部品を本体に直付けにするより、つなぎカンを革と革の間に付けた方が革に負担がかからない場合もあります。バックのサイズや革の種類によっても違いはありますが、重たい荷物を入れて細い革で持ち上げるわけですから、負荷が一番かかる部分ではあります。力のかかり方が金具に分散されるので革に負担がかかりにくいのです。
デザインで金具を使用する場合は、そんなこともイメージしながら選びます。金具には成分もいろいろありますし、メッキ(色)の種類も多いです。大体はシルバー系のものを使用しますが、アンティーク調のものもあればゴールドメッキのものもあります。見た目がきれいな金具はやはりメッキの質が良いものが多いように感じます。
昔、あるヨーローッパの大手メゾンのバッグを見せていただき、とても綺麗で美しい金具だったのでつい手にとってみたら、結構な重みを感じたので、重いですね、と言ってしまいました。バッグは軽い方が良いと単純に思っていた時期もあり、こんなすっとこどっこいな質問をしてしまいました。純度の高いゴールドを使用してメッキをしているからとのこと。トータルで輝いて見えたそのバッグは、細部にも手の込んだ部品が使われているのだと納得しました。そのこだわり方は、貴族や王族から発達した文化が背景にあるのだとも思い、その時、歴史背景に興味を持ったことも良く覚えてます。
物の良さは、高額だからだけでなく、丈夫さや購入のしやすさなど、いろいろな側面があります。自分の考えは、金具は、基本的な丈夫さが無いと部品として成り立たないので、まずは丈夫さから入ります。それからデザイン、色、と続きます。値段は最終にてます。しかし、メッキの素晴らしい金具を作ってみたいという欲は少し残ってます。そんな素敵な金具と出会えたら、どんなバッグをデザインみようかと想像を巡らせます。

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(TSUKKAの徒然日記)