2024/09/11 07:46



革のバッグはどういう風に作られるのだろうと、ご興味をお持ちの方もおられるのではないでしょうか?革は厚いので家庭用のミシンで縫うのは難しく、工業用のミシンで縫います。家庭用のミシンと工業用のミシンの違いは、一言で申しますと、馬力が違います。工業用のミシンは厚い革もドンと来い、という感じで縫い進められます。その為、趣味で革のバックをお作りになる場合、手縫いになることが多いのは、そこに理由があります。工業用ミシンは大きく重たく音も大きいことから、自宅に置くにはあまりにアンバランスです。戸建ての場合は、床下は補強しないとならないようです。イメージとしてはピアノを置くような床下補強が必要とのことです。

そして、ミシンは使う前準備が肝心です。ミシンは機械ですので調子があります。糸が変わると糸調子が変わりますので要注意です。例えば下糸が無くなり付け替える場合、糸の調子は変わるのでここでも調整が必要となります。もちろん革の厚みでも糸調子が変わります。ミシンのご機嫌を損ねないように常に気を使って整える感じです。
そのため、バックを組み立てる最終段階は、ある程度一気に行います。逸話ですが、地震が来ても、職人さんは途中でミシンをやめることはありません。途中でミシンをやめれば糸調子が変わり美しい縫い目にならない為、縫い直しとなるからです。ミシンをかけてる時はもちろん電話にも出ません(笑)。




そんなことから手縫いよりもミシンで縫う方が別の見方をすると難しいとも言えます。また、お財布職人のミシンとバック職人のミシンは縫い目のピッチも違いますので、同じミシンを使うことはありません。もっと言えば、職人それぞれの癖もあるため、他職人のミシンを使用して作ることはないかと思います。ミシンに使う部品はそれぞれ自作で調整することも多く、もはやオリジナルなミシンです。かなり奥が深い職人の世界があります。




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